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ワナビー


ビヨンセ、リアーナ、ニッキー・ミナージュ、ミッシー・エリオット。
チョイスが古めかもしれんが、アメリカのブラックの女性アーティストたちは
強くてセクシーで、リッチでおしゃれで、名声も地位も富も、
すべてを手に入れたような全世界の女性の憧れ。
これまでに何人の女性達が、YouTubeで彼女達を見て
勇気づけられてきたことだろう。


beyonce-in-golden-bodysuit-live-on-stage-wallpaper-2013_convert_20160814211748.jpg
www.wallpapermade.com




ご多分に漏れず、私も彼女達を見て震えるほど感動して、
影響を受け、自信や勇気をもらった一人です。
大げさに言えば命を救われたくらいです。

最近話題になった「Wanna Be」の国連のリメイクダンス動画。
スパイスガールズのワナビーに合わせて、
世界各国の女の子たちが力強いかっこいいダンスで
女性の権利を訴えている。
"What I really want"、本当に望むこととして、
平等な教育、平等な仕事や給与、暴力への反対、子どもの結婚の禁止
などを訴えかけるプロジェクトらしい。







こういう女性解放系のものって弱くて、いつも涙腺が刺激されます…。
フェミニズム的にもエンターテインメントとしても面白く、
観ている人を奮い立たせるような何かがある。


と同時に、少しの違和感もありました。
私はこうなりたいかと言われたら素直には頷けない。
それは私という人間がまだ自分のアイデンティティも、
「自分らしさ」も確立できていないから、
自分がどうあるべきか、特にこういったフェミニズム的問題を前にして、
自分がどういうスタンスを保てばいいのか分からないからだろう。

私は、これは正直なコンフェッションですけれども、
主に恋愛において、客観的に見れば最低なモラハラ的男性に
ひれ伏すような愛を感じたりすることもあります。
とても依存的で、病的で、仲のいい友達にもこのことは言えない。
負の要素だらけの愛に生きたりすることもあります。
これまで結果的にはヤバイことにならずに済んだけど、
いわゆるメンヘラ的な究極な行動をいつ取ってもおかしくない。
確実にそういう部分が私にはある。
これをここでは「初期椎名林檎的性格」と呼びます。
(イメージですよ!)

その反面、さっきのワナビーのような
強く生命力に満ちた、ガールズパワー全開な、
自立した女性も、自分のなかに存在します。

結局昼 (外では) はビヨンセ、夜 (家では) は椎名林檎なんです私は。
これはよく言う「自称サバサバ女は地雷」というのと同じです。

img_0.jpeg
blogs.yahoo.co.jp




そんな私は、世の中の女性達が、平等な権利を得て、
皆が自由で、幸せをつかめることを心から願うけど、
そうでない女性のあり方も、尊重したいと思いました。
不健全な幸せ、病的な愛に溺れて、
尊厳を失うようなことになったって良いと思えることもあります。


アメリカでは先述の通り、ビヨンセをはじめとする
パワフルな女性像が良いとされ、特に黒人の女性たちは
必然的にそうあるべきみたいな風潮すらあるけれど、
その精神性がどうしても合わない黒人女性だっている。
だってビヨンセたちはそれこそ美貌も才能もあり、
なによりもとてつもなく裕福だけど、
それに対して裕福でない一般の黒人女性はたくさんいるだろうし、
別に美しくもなく、才能もない人だって多くいるだろう。

彫刻家・文筆家の柴田英里さんが言っていたけれど、
最近黒人女性の一部の間でゴスロリが流行っているらしい。
ビヨンセ的な強い女性像が(ほぼ)求められているなかでの
反動なのではないかと。
なるほど、ビヨンセの対極のようなゴスロリにはまるのは面白い。
絶対にありえない組合わせだと思っていたから。
黒人女性にだって、あたりまえだけど初期椎名林檎的性格を持つ人はいる。
(実際R&Bとかソウル聴いてても歌詞は結構メンヘラってたりするしね)




rooney-mara-dragon-tattoo-large_convert_20160814222344.jpg
www.telegraph.co.uk

『ドラゴンタトゥーの女』もメンヘラの共感を得ていることでしょう。
見た目はこんなでも好きな人の前では可愛いし、
好きな人のためなら何でもしちゃう!みたいなとこ!
分かるう…!




社会生活のなかで、メンヘラはバカにされて嫌がられるし、
女性も胸を張って堂々と生きていく時代なのは分かっているので、
私も毎日頑張っています。ワナビーの女の子たちみたく、
パワフルに生きているつもりです。(あくまでつもり)

だけれど、他者(主に男)に自分を利用されることや、
自分の尊厳を踏みにじられてもその対象にしがみつきたいことも、
これも立派な "What I really want" かもしれないし。
ワナビーの動画は大好きだけど、そういう初期椎名林檎的な
願望を持つ人の権利は無いものとしている感じがした。
全ての願望が叶うことが真のフェミニズムじゃないかしらね。

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Coco Iijima

Author:Coco Iijima
ヒップホップ・アクティヴィスト
1990年 東京生まれ

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