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子どもの頃の恐怖心


アキノ

「子どものころは、色々なことが怖い。夜の闇が、木々のざわめきが、見知らぬ
人間が、なによりも死が。子どもは恐怖心の固まりのようだ。しかし、成長して
いくうちに、そうした恐怖心が次第に消えていく。日常生活のなかに組み入れ
られていくにつれて、原初的な恐怖心は失われていく。あるのは、せいぜい不
安くらいだ。ほとんどの大人は、子どものころに持っていた、あの恐怖の感情を
なくしていき、平凡な人間になっていく。」

 川本三郎

そうだった。本当にそうだった。子どものころの悩みは色んなことが怖いことだ
った。特に夜が怖かった。自分が寝る前に親とかが寝ちゃうのがものすごく怖
かった。深夜の2時くらいまで寝られないと、窓の外見て、向かいのマンション
にどれくらい電気が点いてる家があるか確認してた。真っ暗なときは、怖かった。
「もう皆寝ちゃったんだー」って。家族で旅行に行ったときも、夜が怖くてしょうが
なかった。親に、夜でもフロントの人起きてるかどうか聞いた。とにかく、夜は誰
かに起きていて欲しかった。

今や、昼の光が疎ましいくらいなのに(笑)

それと、病気が怖かった。辞書で色んな病名を調べて、その症状が少しでも
自分の風邪の症状とかと似てたら自分はその病気なんだと思い込んで、ひとり
ベッドで泣いてたなあ。その病気っていうのも、チフスとか脳梗塞とか肺がんと
か、子どもがかかりそうにないようなのばっかり(笑)


大人になって、「子どもは気楽でいいよなあ。」って度々思うけど、子どもは子ども
で恐怖や不安でいっぱいで、楽しいはずのイベントも楽しめなかったりして、子ども
なりに辛いんだよね。大人になって知識が増えて色んな恐怖心が消えたのはいい
けど、あの頃の恐怖心は今になって思えば貴重だったかも。





それと平行して、年々色んなことに感動しなくなってきた。悲しい。例えば新年
迎えるときも全くワクワクもせず、普段と同じ様に過ごしてた。子どものときは
一年っていったらすごく長い期間で、その区切りである年越しはドキドキして
しょうがなかった。街で芸能人見ても、今は何も思わないし、飛行機に乗っても
今は面倒なだけ。(昔は飛行機乗るのが好きでワクワクしてた。)

で、そのうち、誰かの死にも慣れていくのかな、と思った。自分の両親の両親
に対する態度を見ててもそう思う。祖父母が亡くなっても親はそんなショックは
受けないんだろうな。小津安二郎の「東京物語」でも、母親の死に大した反応
を示さない息子・娘たちがいたけど、大人になるってそうなってしまうことなんだ
ろうなって思った。悲しいけど。

08_01.jpg

「東京物語」のワンシーン

上の絵は近藤聡乃さんの絵。

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Coco Iijima

Author:Coco Iijima
ヒップホップ・アクティヴィスト
1990年 東京生まれ

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