蝉

日本人とは、感傷的な体験を避けては生きられない
人種であると思います。
春は、桜が儚く散っていくのを見届けなくちゃいけない。
あんなに美しいものが無くなっていく切なさって、堪え難い。
夏は、命が短い蝉が一生懸命鳴いているのを聞かされ、
8月の後半には死骸がそこらじゅうにあって、やりきれない。
秋はもうそれだけでセンチメンタル。日々冷たくなってく風と
夜に聞こえる虫の声に涙腺がヤバくなる。
冬はちょっと違うか。感傷的どころじゃないからね。辛い。
とはいえ、もう少しで暖かくなるていう希望があるし、
年末お正月も楽しいし、冬って意外と一番元気な季節かもね。
というわけで今は夏の明け方4時。
今年最後の一匹なんじゃないかっていう蝉が、出るか出ないかの
声で鳴いていて、ついさっき途切れた。死んだかな?
あんなにも感傷的な声を、日本人は毎年聞くんだね。
あー夏が終わる。秋がくる。
それを21回も繰り返してるのにいまだに新鮮な感じ。
季節の移り変わりって、切なく、涙が出るくらい本当に
果てしないくらいに美しいものだと実感いたします。
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