been dazed and confused for so long 

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Hong Kong Yesterday


Fan Ho(ファン・ホー?)という香港の写真家がいる。
50-60年代の香港の町のスナップを撮った人。


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スナップと言っても、光が幻想的で、
夢みたいな写真が多い。
ちょっとセバスチャン・サルガド感もある。

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それはもう、あまりにも綺麗で、構図も嘘みたいに
美しくて、目が眩みそうになる。


この人って、知名度がすごく低いのよね。
こんなに良い写真いっぱいなのに不思議。
写真集の数もすごく少ないし。

私がこの人を知ったきっかけも、
1年前くらいに、職場にFan Hoの、
「Hong Kong Yesterday」という写真集が入荷したのがきっかけ。
ページをめくるうちに見る見る吸い込まれてしまった。

作り上げたような世界観と偶然の間にある感じね。




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写真家は、日本人は世界的にも有名な人が多いけど、
それ以外のアジア人は有名な人少ないし、
興味を持とうともしない人が多い気もする。
せっかくフォトジェニックな風景が多いのに。



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セーヌ左岸の恋


エルスケンの写真集「セーヌ左岸の恋」を買った。
死ぬかと思った。

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エルスケンは1925年に生まれ1990年に死んだ、
オランダ出身の写真家。世界一有名。
スナップの第一人者とも言われている。

そのエルスケンが最初に出した写真集が
「セーヌ左岸の恋」。
英語では「LOVE ON THE LEFT BANK」
これも世界一くらい有名な写真集。

当時のパリのアンダーグラウンド的な部分を切り取った、
若者たちのドキュメンタリー的写真集。
(すべてフィクションらしいけど)





私は今、色んな写真集を扱う仕事をしているもんで、
「セーヌ左岸の恋」なんて何回触ったか分からない。
中もパラパラめくって見たこともあったし
「イケてんじゃーん」くらいに思ってはいた。

けどこないだ初めて買おうと思ったんだ。
あまりに有名だから今まで気にも留めなかったけど、
こういう大御所のオーソドックスな写真集も
家にあるといいなあと思ったの。

帰って読み始めて(この写真集は文章も多い)
衝撃を受けてしまった。恥ずかしながら。




この映画感、物語性、構図、全てがすごいと思った。
全ての写真の流れもそうだし、一枚だけでも物語みたい。



「映画のように素敵」っていうと写真が映画より
劣ってるみたいな言い方になってしまって嫌だなあ。
なんて言えばいいのかな。
映画に似た素晴らしさを持った写真?

何十年も前から同じことを何人もの人たちが感じているのよね。
この写真集ってアラーキーや篠山紀信や細江英公にも
大きな影響を与えたと言われているし。
みんなの出発点になったのよね。


私は、先述のとおり色んな写真集を扱う仕事をしているので、
自慢じゃないけど、ありとあらゆる写真集を見てきて、
造詣もある。だから数多くの良い写真集を知っているし、
たくさん衝撃を受けてきた。
その私が言うんだから多分間違いないよ、
エルスケンの「セーヌ左岸の恋」はすごい。







これはなんつっても、冒頭にやられたね。
どこまでネタバレしていいのか分からないけど、
最初のページで写真一枚と短い文章が添えられている。

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そんで次のページでこれ。


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それはもう映画のオープニングのようで、
ここから全てが始まるんだって思う。
こんなに美しいパリの写真は見たことがない。
大きくタイトルがついてグイグイ引き込まれる。



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この写真が撮られた当時のカメラはもちろん
今のカメラとは全然状況が違う。
今のデジカメやスマホのカメラは性能もいいし、
綺麗に撮れるし、何より写るのが当たり前だけど、
当時のカメラ(もちろんフィルムカメラ)は、
まず写るかどうかが最初の問題で、
綺麗に撮れるかどうかより、
まず写らせることが大変だったらしい。
(だから写ルンですなんていう名前がついたカメラが
人気を博した。)

その中で、こんな構図で、人の細かい表情をキャッチして、
ストーリー性を持たせるって、これは一筋縄ではない。
もちろんロバート・フランクやアンリ・カルティエ・ブレッソンや、
リー・フリードランダーなどなど、往年の写真家たちは
みんなこれをクリアしているのだけど。
いやはや頭が上がりません。

エルスケンや、そういう偉大な写真家が上の世代で良かった。
新しい世代に生まれることの良さは、古い世代のバイオグラフィを
堪能できること。私より若いアーティストは、私が先に死んだら
その全てを知ることができないだろうから。




「セーヌ左岸の恋」はamazon中古で、安いもので3,000円くらい。
色んなエディションがあるし、日本語版もあるから
気になったらぜひ。きっと一生大切にしようと思えるよ。



『目のまえのつづき』と『チロ愛死』


写真家・大橋仁のデビュー作『目のまえのつづき』は、
買ったわけではないけれど、衝撃的だ。
だって帯に大きくアラーキーの字で
「凄絶ナリ。」と書かれているし。


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大橋仁自身の生活を撮った私写真で、
家族(主に車いすの父親)の写真や恋人の写真が何ページも続く。

それはとても日常的で、記念写真だったり、
恋人との、かなりプライベートな写真。
風景や犬の写真もある。

そして急に、表紙と同じ、まっ赤なイメージが現れる。
それは自殺未遂した父親の血が布団やシーツに染まったものだったのね。
凄惨で目を背けたくなるけれど、ページを捲る手が止まらない。
緊急治療を受けた父親の目をカッと見開いた顔が怖くて、夢に出そうだ。

一命を取り留めて、治療が済んで、退院して、
普通の生活に戻る。それは本当に普通で、無邪気に笑う父親の写真もある。


という一連の流れが『目のまえのつづき』に収められている。

父親が自殺未遂なんて、なんとも悲惨な話だけど、
考えてもみれば自殺大国日本で、別に珍しい話でもないのです。
自殺未遂現場の写真なんて、普段の生活で目にする機会がないだけで、
そんな悲惨なことが起こるんだよね、現実には。

恋人とのプライベートな時間は、自分が当事者ならそんなこと考えないけど、
写真になっていて客観的に見ると、とてもグロテスクだ。
よくある綺麗なヌードや綺麗なセックス写真は、綺麗に撮ろうと
仕向けていて、ポルノはポルノで欲望を満たすための作り物だけど、
本当にプライベートのヌードやセックス写真は、目を伏せたくなる。

その、父親の写真と恋人の写真がメインの写真集だけど、
その2項目を一緒にするところには、生を受け、それを全うすること、
生きることの罪悪感、本能的な悦び、そして世間のあまりの厳しさと残酷さを
物語っているように感じます。






『目のまえのつづき』とちょうど同じとき、
アラーキーの『チロ愛死』という写真集も見る機会があった。
アラーキーの愛猫・チロが死ぬまでのドキュメンタリー写真集。


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それは構成が『目のまえ〜』ととても似ていて、
現在のチロの写真の中に混ざって、元気だった頃のチロの写真もある。
と思えば、急にアラーキーお得意の緊縛ヌードや人妻エロスが出てきたりする。

チロは家族=『目のまえ〜』の中での父親で、
その愛と、自分のプライベートな性愛が一緒に在る感じが
とても胸くそ悪かった。(写真集は傑作だけど)






大学を卒業してから、生きることの厳しさを肌で感じるなあ。
養われる立場から養う立場に逆転しつつあるからなあ。

年を取れば体は弱って病気するのも当たり前だし、
若くても波に飲まれて精神病むのもよくあることだし、
失業や解雇も日常茶飯事なのに、
今まで自分や家族がそういう状況に
置かれることを考えもしなかった。


家族が病気になったという話を聞く前、
私は『目の前の〜』に出てくる恋人みたく
セックスしていた。
話を聞いたとき、それを思い出して、
激しい罪悪感や羞恥心とともに吐き気を催してしまった。




写真よさようなら


神々しいまでに美しい写真だと思いました。
写真の評価や上手い下手や、写真につけられる値段は様々だけど、
私には、あの写真を何億かけても買うことが出来ないと思いました。

なんでもそうですが、物事の良し悪しの判断は、個人的なものです。
だからあの写真をこんなに評価してるのも、
私だけなのかもしれないね。

その、知人が撮った非常に私的な写真は、本当に美しかった。
見てはいけないとすら思った。

ああ、全てはここでは死んでも書けないけれど、
それはもう個人的な思い入れや関係性や、
こういったらアレだけど、生きることや死ぬことや、
罪悪感や純粋な幸福な気持ちや、
色んなものがうごめきました。

神的な領域に踏み込んでしまった気がして、
私はこれからその罪を償っていくのだな
とか思いました。

その写真見たとき、
涙が溢れて、しばらく動けなかった。
構図や強めの光や、体や服の質感や、
全てが見たことも無いほど美しかった。

愛の写真、生の写真、死の写真。

写真に写るあの人がその写真の中で永遠に年を取らないことが、
恐ろしく美しい。
写真の特性はやっぱり時間を切り取るということにつきるし、
それは魔法みたいだけれど、
それにしてもその魔法は私には強く効き過ぎた。

あんな写真を他に知らない。
あの写真は二度と見ないことにする。そして、
あれを越える写真に、私は生涯出会うことはないだろうと思う。


読んでいる人にはワケが分からないね、ごめんなさい。
でもどうしてもこの気持ちを吐き出したかった。
支離滅裂でごめんなさい。



泣く男/Sam Taylor-wood


イギリスの写真家のサム・テイラーウッドの作品に
『Crying Men』というものがあります。
「泣く男」です。


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タイトル通り、泣く男の写真が集められた作品。
モデルになっている男性は有名な俳優ばかり。
その人たちがカメラの前で泣いているのです。





男が泣く、ということは、一種のタブーというか、
恥ずべきこととされがちですよね。
映画やドラマでならまあしょっちゅう見れますが、
実際の生活の中で、男が泣くところを見ることなんて
まず無いよなあ。

この撮影がどういう風に行われたかは知らないけど、
そのある種のタブーに挑んだ感じはすごい。
写真もとても綺麗だしね。



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これすごく気持ち悪いって分かってるんだけど、
私、男が泣いてるのを見るのって大好き(笑)
見なくても想像するだけでも楽しい(笑)
ちょっと涙を流す程度も良いけれど、
号泣とかされるとたまんないのよね、、

だって自分の前で男が泣くって、相当よ。
その男が自分に心を開いてたり、自分を頼ってくれていて、
変な母性本能みたいのが働いてしまう。
一番恥ずかしいあろう姿を見せてくれるんだもん。

まわりの人間が誰一人として知らないその男の姿を
自分だけに見せてくれてるっていう壮大な優越感。
赤ちゃんみたいな姿を慰めてあげてる自分に対する自己愛。
自分がいじめてしまった感のある少しのサディズム。
そして何より、男の涙は綺麗だと思います。
(女の涙もだけど)


その男の顔が綺麗かどうかも関わってはくるけど、
しわくちゃのおじいちゃんが泣いていても、
もうそれだけでドラマじゃないですか…!





サム・テイラーウッドは、女性だけど、
『Crying Men』を撮ったとき、かなりおいしい思いを
したのではないかと想像しています(笑)
だって何人ものいい男が自分の前で泣いてくれるんだよ、
たまんないよなー!

(ああ、自分で書いていて本当に気持ち悪い…)




 
 
プロフィール
 
 

Coco Iijima

Author:Coco Iijima
ヒップホップ・アクティヴィスト
1990年 東京生まれ

気になることあったらコメント、
またはメールaaliyahr.kelly2001@gmail.com ください。
大歓迎です。お仕事のご依頼も上記アドレスまで。

 
 
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